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WORK02 | 雨漏りなどの屋根の修理について

雨漏り箇所の瓦を外してみると中身はこのような状態になっています。
下葺き材の上に水跡があったり、葺き土が流れたりしています。
また、このように雨水が瓦下に侵入していても部屋の中まで侵入してこない場合があり、瓦(屋根材)を1次防水とすれば、2次防水である下葺き材と呼ばれる瓦下の防水紙が効果をなしているためです。
おおまかに考えて雨漏りの定義として部屋内にまで雨水が侵入してくることを雨漏りとし たいと思います。
皆様が一番に雨漏りの原因と思われるのは「瓦が割れているのでは」「瓦がズレているのでは」という事です。

瓦割れについてですが、右の写真と左の写真とでは割れている位置が違いますよね。
左側の割れ方は確実に雨漏りしています、右側は瓦下には雨水が侵入しているとは思われますが、部屋の中までは侵入していない場合が多いです。
これは、瓦(和瓦)の構造上、瓦単体においての一番谷になっている部分を主に雨水が流れるからです。
左側の写真のように瓦の山部分は主に雨水の流れる部分ではないので、雨水の侵入量が限定されますので雨漏りに繋がることが少なく思われます。
但し、放って置く訳にはいきませんが。
瓦割れの原因として一番多いのは、瓦を緊結している釘が原因である事が多いです。
近年はステンレス製の瓦釘を使うため瓦釘が腐食しないのですが、50年程度前は亜鉛釘や鉄釘が瓦釘に使用されていたため腐食膨張し瓦を割ってしまっていました。
上の写真の割れを上部に追っていくと同じような位置にくるのが分かります。
ちょうど釘穴がその位置に有ります。
また、瓦割れとは違うのですが同様に言われるのが凍害と呼ばれるものです。
「青い瓦が赤くなって来た」とか「欠片が落ちてくる」とか言われるものです。
日当りの悪い部分で発生しやすく、屋根の北面で多く発生します。
瓦はお茶碗や湯呑みと同じ焼き物なのですが、いくらか水分を吸収しますが、あまりに焼きの甘い(焼成温度の低い)瓦は給水率が高く、水分を含み過ぎてしまいそれらが寒い冬場に凍結膨張し凍害が発生します。
(全く吸水しない瓦があるとすると、湿気などで瓦裏が結露してしまい雨漏りと同じ状態になります。)

上の写真は凍害が発生した写真なのですが、瓦の表面が剥離しています。
中央と左の写真程度でしたら雨漏りするほどでは無いですが、右の写真ぐらいになると、雨漏りしています。
40~50年程度前の釉薬瓦に多く見られる症状で、建築ブームとオイルショックが重なったため、充分に焼き切れてない瓦が流通した結果だと思われます。
現在は、凍害の起きる瓦は少ないと思われます。
次に瓦のズレですが、現在の瓦は引っ掛け桟工法と言う施工がなされているため瓦のズレはほぼありません。 横に横桟木と呼ばれる木材を打ち、それに瓦を引っ掛ける工法です。
それ以前の土葺き工法(葺き土に瓦を接着させる工法)による施工に多く見られる症状です。

上の写真が瓦ずれの写真なのですが、30mm程度ズレていますが、雨漏りするところまでにはいたっていません。
瓦自体は60mm程度の重なりがあるためだと思われますが、雨漏りする前に補修の必要があります。 次に大棟や隅棟からの雨漏りですが、原因はほぼ葺き土の劣化にあります。

上の図は棟の断面図なのですが、左が雨漏りしていない正常な状態で、右が葺き土が劣化して雨漏りが発生している状態です。
葺きの劣化により、のし瓦の勾配が緩くなり雨水が棟内部に侵入しやすくなっているのが分かると思います。
通常の雨では雨漏りしないが、吹き降りの雨や雨量が多いときに雨漏りしやすい状態です。
もちろん、あまりに傷んでくると通常の雨でも雨漏りします。
現在は南蛮漆喰という屋根用漆喰で棟積み(のし積み)をおこないますので、棟の耐久性は向上していると思われます。

上の写真は葺き土の劣化によって雨漏りが発生している棟の写真です。
一見何とも無いように見えますが、天井には大きな雨漏りの跡が残っています。
専門業者以外に雨漏りの相談をしますと、大体に下の写真のような処理を行ないます。

コーキング処理で雨水の浸入を防ごうとしている写真です。
このような処置は逆効果でして、侵入した雨水が抜けなくなり、以前よりも増して雨漏りの可能性が多くなります。
また、棟の内部に空気が通らなくなり、棟内部が湿気た状態が長く続き先ほど書きました葺き土の劣化につながります。
また、このような処理を行なうと瓦の再利用が困難となり、後の修理費用が割高になってしまいます。

上の写真も雨漏りしている部分の写真です。
面戸漆喰がかなり傷んできています、見た目も良くありません。
この面戸漆喰を塗りなおしても根本的に雨漏りを防ぐことは出来ません。
なぜなら、面戸漆喰は葺き土の保護と見た目の化粧材であるためです。
見た目を良くするために塗り替えをするのはOKだと思います。
ただし、下の写真のような感じで棟幅いっぱいまで塗ってしまうと雨漏りの原因となりますので注意して下さい。

まだ書き足りないのですが、また加筆したいと思います。 瓦や屋根にお困りの事がございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。




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